女性活躍=女性管理職を増やすわけではない 

2022年04月07日

こんにちは!

ワイアンドシーカンパニーの大西です。


今回は、女性活躍=女性管理職を増やすわけではないことと、

企業内での女性管理職の増やし方のポイントをシェアします。


~第1章~

【女性管理職を〇〇年までに、〇〇%にしたいんです】

この相談、とても増えました。

2023年までに30%にしたいんです。という相談が以前ありました。

当時は、2020年。3年後です。

年数は妥当だと思いました。(年数のお話はまた後日します)

問題は、30%という数字です。

「ちなみにこの2023年までに30%というのは、どこからきた数字でしょうか?」
と、私はお相手の社長に聞きました。

「...。なんとなくです」

なんとなくー!!??

弊社は『本音で対話するコンサルティング』をしていますが、さすがに思わずツッコんじゃいました!!

よくヒアリングしていくと、他企業や国がやっていることを参考にしたということでした。

なんとなくは正解で、本音なので尊重します。

ここで、私は社長に説明しました。

「社長、素晴らしい取り組みです!
そもそも管理職というのは、会社にとって重要なポジションです。時代が女性活躍だからといってそれだけで女性管理職を増やそうとするのは、とても危険です。
一歩間違えると大損害に繋がるので、経営戦略に入れて、スケジュールや何より適材適所をよく考えて決めていくのはいかがでしょうか?
ちなみに、30%ということは、例えば御社の経営陣だと10人中3人が女性ということになります。公平性の視点からはどうでしょうか?」

しばらく考えたあと、ハッとされていて、しっかり計画を立てて取り組むことにして進行中です。

10人中3人というのは、一般論的にも意見が通りにくいです。

せめて、半々が妥当です。

逆で考えてみましょう。

女性7人:男性3人

ご自身が男性だった場合、意見を言い、通るとイメージできますか?

そして、男女はそれぞれ事象の捉え方や考え方、仕事のしかたなどが違います。

本来は良い意味で違いを認識して尊重して、お互いを補い合うのが理想なのですが、日本企業はまだまだ男権社会なので、異文化・異習慣と捉えられてしまいとても困難を極めます。

また、男女比率を調整したり、ダイバーシティをすると、『会議がもめて、それまでの会議内容や進行にはならない』です。

様々な人が入ることによっての、
・社内政治
・根回し
・事前に色々決まっていて、報告だけの会議
が、通用しなくなります。

男権企業を廃止して、女性やもっと言うとダイバーシティに応用できるためにも社長をはじめ経営陣全員の満場一致、そして『腹落ち』が必須になります。

時代がそうだからとかでできるほど簡単なものではありません。

そこには『男女、人間』という複雑で奥深いものがあるのです。

なので、〇〇%も、腹落ちした後に、『じゃ、うちはどんな比率が良いのか?どんな体制がいいのか?』という、オリジナリティに決めていくことで成功します。


~第2章~

【その気がない女性従業員】

相談:「社内の女性従業員に管理職になりたいか?というアンケートをとってみました。
    そしたら、なる気がない・子育て等があるから無理・そもそも興味ないという回答      
    が多くて困りました」

いやいや、女性従業員のせいではありません!!

企業側、経営者はじめ経営陣のせいです。

ちょっと厳しいことを言いますが、その高見の見物やめてほしいです。

自分たちの会社の企業風土としっかり教育プログラムをしてこなかったのが原因ですので、現場の従業員が原因ではありません。

そして、このアンケートはただそれぞれの『気持ち』を聞いただけです。

大前提に、男女関係なく、出世欲のある人/ない人がいます。

女性だからというわけではありません。

長らく日本は、女性は寿退社や専業主婦が当たり前でした。

そして、企業風土や教育ブログラムが整備されていない会社では当然の結果です。

ちなみに、女性管理職で成り立っている業界はたくさんあります。
私がいたアパレルや美容室、美容業界、CAなどです。

例えば、以前勤めていたワールドでは、店舗では店長をはじめ役職は女性。雲の上の存在として尊敬されていたブランドのトップのマネージャーも女性でした。

なぜ、これだけ違うのか?

・そもそも女性が多い業界なので、男権社会ならではの考え方ややり方ではない
・活躍している女性が輝いていて、憧れの気持ちからモチベーションが上がり、出世欲への刺激になる
・入社初日から教育プログラムがあり、企業風土も女性を当たり前に受け入れている

女性が多い業界にいたことが多い私からすると、他業界は上記と逆なのでとても驚いた思い出があります。

女性が多い業界で働いている男性は、女性の働き方や考え方、仕事のしかたに
抵抗が低く、これが普通・尊重など、受け入れています。

一日体験をして頂きたいぐらい、違います! 

何より、カッコよくて輝いている女性が活躍している姿を入社してから、いや入社面接のときに見たら、そりゃ「素敵だなー!よし!私もああなりたい!」という気持ちになり、仕事へのモチベーションに繋がるのは一目瞭然です。

20代の女性(例えば就活生)が50代前後の管理職男性を見ても憧れは抱きません。
(本当にごめんなさい!!でも本当なんです!!)


~第3章~

【女性に活躍してもらいたい!管理職を増やしたい!】

<ポイント>

1.企業風土を変える、教育プログラムの導入
2.管理職経験のある女性またはふさわしい女性(年齢やキャリア、人生経験)の採用

です。

1.はやらなければいけなくて、2.はおすすめです。

管理職を任せる年齢は、一般的に40~50代が多いかなと思います。

このころの女性は、子育てがひと段落していたり、お留守番ができる年齢のお子さんだったりして日中OKの方も多く、生理症状も少しずつ落ち着いている方もいて、若い頃より生理諸症状(痛み等)が少なくなっていたり、50代前半だと閉経になりますので、仕事に集中しやすくなります。(更年期障害や介護、持病等の事情などへの対応は必要です)


そして、素晴らしい経歴をお持ちの方はたくさんいらっしゃいます。
時代背景や家庭の事情でやむをえずパートをしてる方などもいて、人生経験も豊富で素敵な方が多いです。
誰も狙っていない採用マーケットなので、本当におすすめです。

何より、管理職と社会・人生経験があるのは本当に強くて、入社した日から管理職をお任せできて、業務のことやビジネスマナーなど一から教えなくてもむしろプロとして活躍してくれます。

そしてシニアの方々もそうなんですが、勤勉で辞めない、休まない方が多くいらっしゃいます。

人生経験とキャリアがある方に入社してもらえば、会社自体も心強くなり、力強い組織へと変わり、40~50代の方に早期退職をという企業が増えてきている中、企業イメージ向上にも繋がります。

社内でも、若い女性従業員からすると会社への信用信頼が増し、輝いて活躍している憧れの年上の女性が存在することで、仕事へのやる気や出世欲向上になり、離職率低下など良い効果をもたらします。


いかがでしたでしょうか?

時代と自社をよー--くリサーチして決めていくことと、『企業は人と人』ですので、簡単に数字にしたり、資料を作って発表しておしまいでは本当に危険で、最悪大損害となり、人を路頭に迷わせて倒産してしまいます。

経営と人生が大きく関わっている女性活躍。

一緒に考えて解決して、となりで歩き続けます。

<お問い合わせ先>
y&c Co.(ワイアンドシーカンパニー)
大西 ゆかり
yukaricoco0513@gmail.com