女性活躍の落とし穴と推進のポイント

2022年04月02日

こんにちは!

ワイアンドシーカンパニーの大西です。

今回は、社内で女性活躍を進めていく上での落とし穴また気をつけたいところとスムーズにいくためのポイントをシェアします。


まずは、女性活躍を推進していく過程での落とし穴をシェアします。ご自身の会社の状況とぜひ照らし合わせてみてください。解決策へのヒントが見えてきます。


<落とし穴と気をつけたいところ>

①社長は前向きだが、反対している役員がいる。そのままの状態で進めてしまう
これは、とてもあるあるです。
「ぜひやろう!」と言って頂いたのはありがたかったですが、役員の方々は真反対の表情をしていたというケースはいくつも経験があります。経営層全員の納得と積極性こそが女性活躍の最大のポイントになってくるので、この状態は非常に危険です。
また、こういうものは現場の従業員がよく見ています。明日以降この会社で働いていくべきなのか?の判断基準にもされてしまいます。女性活躍に関わらず、コンサルティングを導入するのなら『本気と変わる覚悟』が経営層全員に求められます。


②社長の大号令だけで、現場には何も具体的ではなく、丸投げ
これは毎回のごとく現場の悩みとして聞きます。
「時代は女性活躍だ!」と社長がどこからか
情報を入手して、うちもやるぞ!という意気込みは素敵なのですが、経営層で決めなければいけない具体的内容があります。マニュアル化は企業側がしっかり行い、臨機応変に変更可にしておく必要があります。また、反対に取り組みの計画を立てからあとは現場で!も危険です。


③求人広告に記載。でも実際は取りづらい、やりづらい、何もやっていない
No.1のあるあるです。
『育休・産休取れます』と求人に記載される企業が増えました。
しかし、実際は誰も取ったことがない・取りづらい・女性活躍なんてやっていないという
状況の企業はたくさんあります。休暇制度のほかにも福利厚生も同様です。
充実と運用は違います。確実に運用するようにしてください。


④「時代は女性活躍だから全従業員わかっているだろう」の危険さ
従業員の女性活躍への情報収集度や意識は、じつにそれぞれです。
「わかっているだろう」は大変危険で、
そのバラバラさのまま推し進めていっても良い結果にはなりません。全従業員(経営層も入ります)での正しい知識と共有が女性活躍推進を始める第一歩であり、必ず成功になる道へと繋がっていきます。


⑤女性活躍=女性。だから当事者である女性従業員の意識を変える
女性活躍は男女共に、もっと言うとどのポジションの方にも関わることであり、皆さんが当事者です。女性のものだから男性は関係ない、現場の従業員が対象だから経営層は関係ないと高見の見物をされる方もいます。女性自身ももちろん今一度正しい知識や共有、理解が必要ですが、男性や経営層こそ積極的なインプットやアップデート、理解が必要です。


⑥正しい知識と共有が終わった。意識が変わったはずだからコミュニケーションが増えるはず
一見正解のように見えますが、これこそ落とし穴。
勉強会や研修が終わった後がむしろ本番スタートです。
社内で何かを学んで、それを行動に移し、体現まで行うことはまずありません。それをサポートして実現までもって行くのは、私たちコンサルタントの仕事です。
意識改革をし、どんなコミュニケーションでどんな行動をすれば良いのか、体現までサポートします。これには、時間がかかるので温かく見守って頂きたいです。


⑦担当部署の設置の是非やプロジェクトで進めようとする
女性活躍=女性管理職だと思いこんでいたり、女性への勝手な価値観、自社に合わない意味不明な数値目標。これらは非常に危険で効果がありません。またプロジェクト型で短期間で進めようとするのも効果ゼロです。
現場の従業員は、この判断をした経営層に落胆の気持ちを抱いてしまい、優先度の低い取り組みなんだと伝わってしまうので危険です。


⑧「人事部に任せよう」・「担当を女性にしたから大丈夫」は非常に危険
これもかなりのあるあるです。
人事部は人事部の仕事があり、女性活躍推進をする部署ではありません。
部署は新設をして、担当の方々は男女関係なく、休暇制度経験者や管理職として休暇制度や事情がある方へのマネジメント経験がある方、また事情と仕事を両立されている方などが適任です。


落とし穴に落ちないポイントは、『会社全体を俯瞰する。そして具体的に部署ごとに。』


ここからは、女性活躍をスムーズに進めていくためのポイントをシェアします。

すでに女性活躍をされている企業では、課題や問題が出てきていますよね。
解決へのヒントやアイデアが浮かぶと思いますので、よく読み込んでみてください。


<女性活躍をスムーズに進めていくためのポイント>

①経営層全員が『一枚岩』で意思決定し、取り組む
すべての経営層が取り組む意義を見出し、本気でコミットするということを確認するための意識統一を丁寧に行いましょう。当初反対していた役員に、あえて社外発信に登場していただくなど、ご自身の意見をまとめる機会を戦略的に設定することも効果的です。


②社内外へ、女性活躍の取り組みの内容を積極的に発信する
社内には社内報などを活用して、当事者とその直属の上司(ここがポイント)お二方が実際にどう経験されたかどう思ったかをインタビューしてまとめて発信します。(動画も作成するとわかりやすくておすすめです)また各部署での取り組みは他部署へのヒントにもなります。
社外へは、SNSやホームページで積極的に具体的に発信していきます。企業アカウントでこういった取り組みを発信することで採用率、企業イメージ、お客様の購買意欲などの向上、離職率の低下に繋がります。企業アカウントや経営層アカウント運用でお悩みの方や企業は、この内容をまず発信していきましょう。


③従業員全員が女性活躍推進への共通認識を持つ
従業員おひとりおひとりに十分な情報を伝え「女性だけでなく、全ての人が活躍する土台作り」・「明日は我が身」を意識する機会が重要です。
職、年齢、性別、業務内容などにより誤解・思い込みがあるため、対象別で丁寧に伝える機会や仕組みを設定しましょう。


④上司・部下・同僚、関連部署などとの『対話』を促進する
これまで男性中心だった職場環境の「当たり前」を疑うことができる場や、違和感を率直に話し合える機会は、女性活躍にとどまらず、すべての働き方改革において必要です。心理的安全性を担保しつつ対話する場のファシリテーションが重要です。
対話がスムーズにいくポイントは『自分の価値観を押しつけない』『上司と部下や男女、年上と年下などの上下関係を意識しないフラットな関係性の雰囲気づくり』です。


⑤具体的に行動を進める担当部署の設置
『女性活躍は経営戦略』として会社全体で力強く推し進めていき、経営の根幹を担う社長や役員が積極的に関わり変化と進化をしていきます。


⑥当事者をはじめ、全従業員が気軽に相談できる専門窓口を設置する
実際に取り組みが始まると、色々なところで様々な悩みが出てきます。体現できるようになっても同じです。コンサルタントがいる期間はコンサルタントが担当し、自走になっても相談できる窓口を設置します。
悩みは放置しておくとどんどんふくらんで集中力が低下する原因になり、身体的にも影響が出ます。
一人で解決させるのは非常に危険で効果はないので、専門部署や専門家(コンサルタント)に相談することで、解決・解消になり、仕事へのパフォーマンス向上になります。

ここでこそ、組織=チーム力を発揮し活用して、孤独にさせない温かな関係性を構築していきましょう。


⑦取り組みを必ず振り返ることの重要性
せっかく取り組んでも効果が検証できないと、次の取組みに進めません。また、社外への発信の材料をつかむことも難しくなります。定期的な報告会や表彰制度、社外へのPR計画など、取組みを振り返る仕組みをあらかじめ設けておきましょう。


ポイントは『女性活躍を経営戦略』として位置づけ、確実に継続して取り組むことです。


いかがでしたでしょうか?

日本企業はここまでやらないと女性活躍は進みません。まだここなんです。

こんなことをしなくても、当たり前に休暇制度が取れたり、女性が普通に仕事ができたり、男女共に事情を抱えても仕事を失わずに両立できる(ライフワークバランス)ようになるのが弊社の目指すところであり、日本のあるべき姿です。

優しさ、思いやり。これが何よりのポイントです。