女性活躍って結局なに?全ての企業がやるべき仕組みづくり

2022年03月09日

女性活躍。
言葉はかなり有名になりましたが、結局なにをすれば正解なのか?って感じだと思います。

初めまして!y&c Co.(ワイアンドシーカンパニー)の大西です。

女性が働きやすくなって活躍しやすくなり、またライフワークバランスの実現のために努力している企業はたくさんあります。

育休などの休暇制度の充実、時短やリモートなどの勤務体制、そのほかの福利厚生...。
なかには悲しいことに、求人やホームページに記載されているだけで運用されていない会社もあります。充実と運用はまた別です。

『真の女性活躍とは何なのか?』本当に企業が取り組むべきものはなんなのか?

・やっぱり育休とか充実させるべき!

・女性管理職などのロールモデルを増やしていくべき!

さまざまな立場の人が色々なアイデアを考えられるのも女性活躍の良いところです。

今回は、弊社のメイン事業でもある女性活躍コンサルティングをやろうと思ったきっかけと、取り組みをお伝えします。まだポピュラーではない女性活躍。ぜひ道標として参考にして頂けると幸せです。

ちょっと長めですが、社内で今すぐできる女性活躍もご紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いください!

⒈私が女性活躍コンサルティングをやろうと思ったきっかけ

1-1.子宮内膜症になった
2011年7月、私は子宮内膜症という婦人病になりました。突然の出来事でした。
当時会社員だった私は、前日まで1週間札幌出張に行ってるぐらい元気そのものだったのでとてもショックでした。

症状は重症で、左の卵巣が7センチを超え(通常は3センチ程度)腫瘍(チョコレート嚢胞)ができてしまい、破裂や捻転(ねじれてしまう)の危険性があり、入院をして手術をしました。(術後、捻転していることがわかりました)
この病気は厄介でして、半分の確率で不妊症を併発する場合や、平均2年の再発があることです。閉経まで治らず、完治治療はありません。

そして、私みたいに重症だと手術をしてから本格的に投薬治療に入るため、治療と仕事の両立というとても難しく、それまでの人生でやったことのないことだらけの毎日になります。私の場合は30歳で発症したので、50代前半(閉経の年齢)まで自分に合う治療を探して、なんとか過ごしていく感じになります。

私だけじゃなかった

この病気を調べると、患者数は日本女性の5人に1人と言われており、発症が最も多い年齢は10代から30代前半と、学業中、働き盛り、結婚前後と女性が最も活動する年齢を襲います。
私は今、子宮内膜症専門外来に通っていますが、いつも病院は患者でいっぱいで大混雑しています。『5人に1人』というのは体感的にとても納得できます。そして、『これは大変なことが日本で起こっているな...。なんとかしなきゃ』と入院中にずっと考えていました。
おそらく企業に1人は子宮内膜症を患っていたり、生理諸症状、不妊症などと仕事との両立で悩み苦しんでいる女性がいると予測されます。

病気を防げた企業の制度

私は病気になった原因を探しました。子宮内膜症は原因不明ですが、心当たりがありました。
✔️長時間労働
(月〜金:9時から終電まで 土日:基本的に休みだけど電話やメール対応)
✔️睡眠時間
(夜中2時〜5時起床 平均3時間睡眠)
✔️会社内の人間関係
(M&Aして3年の会社だったので、みんな上っ面だった)
✔️何でも屋
(ゼネラリストと言えば聞こえが良いですが、ほとんどの業務を任されていた)
こうやってみると「そりゃ、病気になるよ😅」という内容です。
でもこれって意外とやっている人がいるのではないでしょうか?

この勤務状態の解消はもちろんですが、女性としてサポートしてほしかったことがありました。

生理や妊娠、子育てのことなどの女性の体と仕事の両立を相談でるちょっとお節介なオバサン

こういう人がたまに会社に訪問し一人ずつ面談してくれて、「ちょっと、大丈夫?」と病気になる前に、体が悲鳴をあげる前に声をかけてくれる世話好きな優しいオバサンみたいな人が私含め、日本女性には必要です。

よし!私がやる!!

子宮内膜症の闘病経験と今までの多彩なキャリアを生かして、2018年に【女性活躍支援コンサルティング】を設立しました。

1-2. 独立してからの経験談
独立した当初は育休が注目されていた時期で、営業もスムーズにいきました。
奥様が出産したばかりの社長、女性のスタッフが多くて管理に困っている社長、自分の会社を女性が働きやすい会社にブランディングしていきたい社長など...私と同じ想いを持っているクライアントが集まり、一緒に今日も励んでいます。

SNSを始めてからは執筆の依頼や講演会の依頼といった、予想外の嬉しい依頼も何度もありました。
私のところに依頼くださる方全員『女性の仕事や生活の環境をどうにかしたい』という方々でとても胸が熱くなります。

女性ならではの悩みを目の当たりにする日々で、【全ての女性が働きやすい社会へ】にしなきゃいけないし、どんな人生になっても仕事は失わない、両立できるように環境整備が必要です。

1-3. 女性活躍なんていらないんじゃないか?
育休に注目されたのが落ち着いた頃から風当たりが強くなり、営業に行っても「うちはそんなものいらない」と言われるようになりました。
営業力に磨きをかけ、価値を上げても、どんなことをやってもだめでした。
人は女性に対して、色々な視点や考え方を持っています。そして価値観もバラバラ。
社長が10人いれば10の考えがあります。
全員が『女性活躍って必要だよね』と考えてるわけではないんだなと気づきました。
これは悲しいですがどうしようもないことで、その会社の社長の考えが変わるまで待つしかありません。これが社会事業の辛さであり、日本はまだこの段階です。でも、必ず必要なことなので頑張っています。


⒉真の女性活躍とは? 『女性活躍とは信頼の証』

さぁ!では、実際に女性活躍をカタチにしていくにはどうしたらいいのでしょうか?女性活躍は具体的(見える化)をしていかないと相手に伝わりません。弊社では女性活躍で最も大事なことは何なのかとどうしたら相手に伝わりやすいカタチにできるのかを構築しました。

そもそも、皆さんが考える女性活躍ってどんなものですか?

・育休が取れやすいように?

・女性が働きやすいと求人やホームページでアピールする?

・女性管理職を増やす?

全部正解です!全てやらなければいけないことですよね。
私が考える真の女性活躍は、上のツイートにもあるように『それぞれの人生(ライフ)の実現と尊重、そして仕事(ワーク)との両立(バランス)です。
ですので、社内で働き方を選択できなかったり、プライベートで結婚や出産への考えを押し付けたりするのは、一人一人の幸せ=ライフワークバランスが実現できなくなってしまいます。

『女性活躍とは、信頼の証』これをコンセプトに私はコンサルティングをしています。女性活躍や信頼はふわっとしていることも多く、共有しづらいのも特徴です。そして、対従業員、対求職者、対お客様にしっかり女性活躍をやっている証しをわかりやすくカタチにしていくと、さまざまな信頼が集まり、安定的な経営と企業イメージも向上します。


2-2.海外はどうなっているのか?
ほんの少しですがご紹介します。

ノルウェー
2018年『世界幸福度ランキング』2位!
・リモート導入企業 78%(ちなみに日本は21%)
・長時間労働は評価されないので、いかに短時間で成果を出すかを考えて働き、定時になると仕事を切り上げて帰宅。『時間内に成果を上げて、プライベートの時間を大切にする』
・育休明けの復帰がしやすい。法律で育休を理由とした職務の降格や減給が禁じられていて、自由な働き方も認められている。


スウェーデン
女性就業率第1位! 子育てしやすい国として有名
・国が政策として『ファミリー・フレンドリー』を掲げており、子育て世代のサポートが充実している。
・さまざまなサポートがある中で印象的だったのは、子供の看病で休んだ場合、給与の80%を支給。(祖父母も対象)※年間120日まで


アイスランド
子供と一緒に出勤するのが当たり前
・従業員50人以上の企業は、女性管理職比率を4割にすることを義務化している。

各国でさまざまな考えと政策、サポートが充実しています。
こうやってみると、どの立場の人も一緒に働こう!というメッセージが伝わってきますよね。
「これは嫌だ。だめだ」ではなくて、まずはやってみる、そしてその人に合った選択肢を広げることが日本は課題だと考えます。


2-3.女性活躍のターゲット
<社内>
・女性従業員
・子育て真っ最中の男性従業員
・その他事情を抱えている(病気、障害、介護等)従業員
<社外>
・求職者
・お客様

女性活躍のターゲットは大きく『社内と社外』に分かれます。
社内は全ての従業員と言ってもいいのですが、リアルで事情を抱えている従業員に対しては特に当てはまってきます。

そして、もう一つ大事なターゲットが社外の方々です。
求人を出した時に女性活躍への仕組みづくりを具体的に行っていればいるほど、応募数は飛躍的に増えていきます。今の若い人はライフワークバランスを当たり前としての価値観としていますので、新卒採用の時などにも大いに発揮します。
また、サービス提供している企業は、企業イメージが良くなるのでお客様の購買率がアップしたり、良い口コミが広がったりします。

3.女性活躍の仕組み つくり方

業界や職種に沿って築き上げていく女性活躍の仕組み。
誰もが安心してライフワークバランスを実現できるようになります。
そして、従業員のライフワークバランスの実現は仕事中のパフォーマンスを今よりさらに上がりますので、安定した経営と利益向上に繋がっていきます。

経営層、管理職、従業員と分けて、それぞれお一人ずつ面談をしていき、立場ごとに違う課題や問題を一緒に考えて解決します。

●経営層と管理職→どうしたら従業員の皆さんが働きやすくなるか?

●従業員→ご自身のライフワークバランスの実現のためにどうしたらいいのか?

産休や育休等、長いお休みに入られている従業員向けにも、復帰直前セミナーやミーティング、お休み中の会社との関わり方を一緒に決めていきます。
プライベートなこと(生理、妊娠、出産、病気等)というのはなかなか社内の人に言いづらいです。言えたとしてもこういったことは価値観がバラバラなために話が平行線のままだったり、理解してくれなかったりします。ご本人と上司という二者で話すのも原因です。私が入ることで三者となり、橋渡し的な立ち位置なので解消されていきます。

言いづらい・休みづらいをなくします

たまに産業医でもいいのでは?と言われるのですがそれでも良いと思います。ただ、医師の先生には企業ではなく医療現場で患者さんの治療に専念して頂きたいのが個人的な思いです。ドクターXではないですが、このコンサルティングは医師免許がなくてもできますし、病気を経験しているからこその、病気を発症した時やする直前の心身のレッドサインではなくて、もう少し前のイエローサインをお伝えでき、しかもキャリアを生かした働き方や経営提案ができます。このお話はまた別の機会で。

4.女性活躍の基本的な流れ

女性活躍の仕組みづくりに必要なのは、『女性の体の仕組みについての正しい知識』と『業務の見える化』と『人員計画』の3つです。
まず女性の体の仕組みを正しく認識している人は、男女共に実は少ないです。なので色々な考えや偏見が生まれてしまいます。

ほとんどの企業はこの3つが見えるカタチになっていません。誰が何の業務をしているのか、この部署には本当は何人必要なのかを明確にすれば、誰かが長期的に休んだり、勤務形態が変更になっても企業も従業員も負担なく仕事ができます。そして、この3つを誰かが休んだ時にやるのではなくて、日頃からやっておくことがとても大事で、いつでも対応しやすくなります。避難訓練をイメージして頂けると良いと思います。

①女性の体の仕組みについて正しい知識と擬似体験
テーマ『女性になってみよう!働くママさんになってみよう!』
なぜ『女性活躍』という言葉があるのかというと、男性と女性では決定的に違うことがあります。それは体の仕組み。毎月の生理から妊娠、出産と、女性は仕事をしながら自分の体とも両立させなければいけません。正しい知識を共有して、百聞は一見にしかずなので、妊婦さんの擬似体験などをします。

では、ここでひとつ体験してみましょう!

<<あなたは、働くママさんです。18時に保育園に子供を迎えに行かなければいけません。会社から保育園までは、電車で40分、駅からは自転車で15分かかります。さて、会社を何時に出発すればいいでしょうか?またその時間に出発するためには何時までに仕事を終わらせなければいけないでしょうか?>>

いかがでしょうか?意外とこうやって考えたことってないですよね。
職種や業界によって答えがさまざまになると思いますし、何より『実感』が湧いてきますよね。これがめちゃくちゃ大事です。


②業務の見える化と人員計画
これは主に管理職の方と私と一緒に進めていきます。

この表は、例としてまとめました。あなたは広報部の部長Aさんです。日頃の業務はこんな感じでやっています。BさんとCさんは女性なのでいつかは産休や育休、生理休暇の申請があります。例えばBさんが産休になった場合、Bさんの仕事をどうするのかを一緒に考えていきます。

先程でもお伝えしたように、業務を見える化して人員計画をそれぞれまとめていきます。誰がどの業務をしているのか、その業務に沿って人員がどのくらい必要で、誰が休んだらどうなるのかを日頃から私と想定しておきます。

5.女性活躍のメリットとデメリット

5-1.メリット

その他、女性活躍コンサルティング導入後離職率ゼロ、利益向上をしています。

★従業員→休暇制度、働き方、満足度は必ず100%にするのが弊社のメインミッションですので、どの事情の方もライフワークバランスの実現します。
★求職者→求人に記載してあるだけではなくて、説明会等で実際に私から詳細をお伝えして安心して応募し入社して働いて頂けるようにします。
★経営者→『どうしたらいいのかわからない』が圧倒的に多い女性活躍。その不安と心配を一緒に解消して、外部にいるけど役員クラスのサポート内容と存在で安心して経営できるようにします。

5-2.デメリット

時間とお金がかかる

女性活躍コンサルティングは期間が平均3年とコンサルティング料がかかります。

1年目で土壌(社内や従業員の風土や価値観)を変え、新しく正しい土(正しい知識や仕組み)を導入する

2年目で芽が出てくる(正しい知識や仕組みに慣れてきます)

3年目で花が咲く(全従業員、企業全体で体現できるようになります)

短期的(半年〜1年)ではできない壮大なものです。ぜひ温かく見守って頂きたいなと思います。そして、コンサルティング料には私の今までのキャリアと闘病経験、コンサル経験、責任が入っております。こちらもぜひ考慮して頂けると嬉しいです。

6.最後に

ここまでお伝えしてきたことは社内だけでもできますし、弊社のような専門家の力を活用して二人三脚でやるという道もあります。どちらが御社のビジョン実現に近づく道なのかを考えて頂きたいなと思います。

冒頭でお伝えした、今すぐできる女性活躍をご紹介します。

病気で欠勤する仲間には「代わりに何かやっておくことはある?ゆっくり休んで!」や「お大事に。また元気になったらよろしく!」長い休み(産休や育休)を取る仲間には「お子さんとの生活楽しんで!戻ってきたらまた一緒に働こう!」

この声がけです。「え?当たり前じゃない?」と思われるかもしれませんが、実はやっていない人や企業が多いです。思っていても伝えていなかったり、わかったなどの気持ちが全く伝わらない言葉で終わってしまっています。

女性活躍がうまくポイントはわかりやすい言葉で気持ちを伝え、思いやりを持つことです。この言動はこれから休みに入る側は大きな安心感に包まれます。

そして『遠慮はしない、配慮をしよう』と私はクライアントに伝え続けています。腫れ物に触るような言動は失礼です。誰でも生きていれば事情を抱えます。私みたいにある日突然というケースもあります。誰もが自分事なんだなと私は病気をして改めて痛感しました。

女性活躍をやると驚くほど社内が変わります。明るく、温かく、本当の意味での思いやり。

今、目の前にいる一緒に働いている女性従業員への、また女性への言動を考えるきっかけになってくれるととても嬉しいです。


とても長い内容をお読み頂きまして誠にありがとうございました。